高校野球にお試しで導入されているルール、「球数制限」がありますよね。
過去にチームのエースが一人で投げ抜くことで、怪我や故障に繋がってしまうこともあり、
現在は高校野球の球数制限はお試し期間として運用されているようです。
今回は高校野球の球数制限とは?いつからなのか、なぜ導入されたのか理由や、球数制限の球数は多いのか少ないのかなどについて調べてみました。
そして過去、甲子園で投手は過去何球投球しているかなどもまとめてみました。
高校野球の球数制限とは?何球?
高校野球に球数制限が導入されています。
高校野球の球数制限とは一体どんなルールなのかというと、
高校野球の球数制限とは、「一人のピッチャーが一週間に投げる球数が制限される」ということです。
投げられる投球数の上限は何球なのかというと、一週間に500球だそうです。
高校野球特別規則に記載されている球数制限ルールは以下となります。
② 1週間とする対象期間は、都道府県大会等とそれに連続する大会日程の期間を含む。
③ 試合が降雨、暗黒などで続行不可能となりノーゲームとなった試合の投球数も 500 球の制限に投球数としてカウントする。
つまりは公式大会の予選から本戦全て、一投手が投げられるのは一週間500球までということですね。
雨などで途中で試合が中断してリセットされても、投げた球数はリセットされない!
投げたもんは投げたよ!ということになります。
導入前までは球数制限は特にルールとして決まっていませんでしたので、勝ち進むほどに対戦相手も強くなっていくため、
選手層がそこまで厚くない学校はエースが登板するしかない状況でした。
高校野球の球数制限はいつから?
高校野球に球数制限が導入されたのはいつからなのかというと、
当初は2020年から試用期間3年として導入されました。
ですが、2020年はコロナ禍で春、夏共に甲子園大会が中止になったため、
実質は2021年大会から適用となりました。
以前から、球数制限導入については話し合いなどがされていたようですが、お試し期間として動き始めたのは、本当につい最近なんですね。
高校野球の球数制限に限らず、何か物事を新しく導入していくのは、メリットもあり、デメリットもあり、
踏み出すのには難しい部分でもありますよね。
高校野球の球数制限はなぜ?理由は?
高校野球の球数制限はなぜ導入することにしたのでしょうか?
高校野球の球数制限を導入した理由は、やはり高校球児の身体を守ることが理由です。
高校野球は、勝ち上がれば勝ち上がるほど、日程も詰まってきますよね。
当たり前ですが、対戦相手もより強くなっていきます。
全力で戦い、身体の疲れが抜けないまま、次の試合へと向かっていくのです。
強豪校や選手層が厚い学校は、投手を一試合の中で「先発→中継ぎ→抑え」など使い分けることもできると思いますが、
エース一人に投げ続けてもらうしか勝つ道がない高校は、一人への負担が大きくなってしまいます。
身体の疲労が蓄積され消耗されて、「怪我」や「故障」に繋がって、野球の道が高校で終わってしまう人もたくさんいるでしょう。
最悪の場合は日常生活に支障が出てしまうほどの故障になってしまう人もいるとのこと。
高校球児の身体を守るために、導入されたルールなのです。
高校球児自身も、甲子園を目指して、全国制覇を目指して野球に明け暮れた毎日です。
身体がどんなに悲鳴を上げていても、「投げたい」という気持ちがあり、自分自身でここまでという判断はできませんよね。
エースならなおさら、自分が投げなければと思うと思います。
高校野球の監督も、選手の疲労や消耗を考えてはいると思いますが、
選手たちを勝ち進めていかせてあげたい。今までの努力を結果として残してあげたい。
そういった想いからエースに頼るしかない場面では、やはりエースに頼ることになります。
高校野球の球数制限を導入することで、そういった苦渋の決断などの精神的な負担も少しは軽くなるのかもしれません。
ルールで決まっていることなので、誰かの決断によるというより、ルールに従うということになりますよね。
大人たちが子供たちの才能や能力、身体や心をどう守っていくのか。
そういった議論の中で高校野球の球数制限を試してみようといったことになったのではないかと思います。
高校野球の甲子園で投手が過去何球投球してる?
高校野球の甲子園を過去観てきた中で、投手の球数はあまり気にしたことがありませんでした。
高校野球の甲子園で投手が過去に何球投球しているのか調べてみました。
夏の甲子園大会における投球数の多い投手
1990年以降「夏の甲子園」において、投球数が多い投手ベスト3を調べてみました。
一週間の投球数ではなく、甲子園大会が始まってから終わるまでの累計です。
第二位 878球 吉田輝星(金足農業 2018年準優勝)
第三位 820球 川口知哉(平安 1997年準優勝)
他には有名な選手では、「742球 田中将大(駒大苫小牧 2006年準優勝)」、「782球 松坂大輔 (横浜 1998年優勝)」などがあります。
大会期間は二週間。勝ち進むほどに日程が詰まってきます。
斎藤祐樹選手においては約1000球に迫っており、練習なども合わせれば、夏の甲子園期間の二週間に何球投げ続けてきたのでしょうか。
しかも夏は猛暑…本当に過酷な試合の連続ですよね。
甲子園大会における一週間に500球以上を投げた投手
過去の甲子園大会において、高校野球の球数制限の球数「一週間500球」を越えた選手は、
100名近くいました。
主な投手はこちら⇩です。
692球 小川 洋(宇和島東 1988年春・優勝)689球 斎藤佑樹(早稲田実業 2006年夏・優勝)
680球 川口知哉(平安 1997年夏・準優勝)
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643球 松坂大輔 (横浜 1998年夏・優勝)592球 吉田輝星(金足農業 2018年夏・準優勝)
577球 田中将大(駒大苫小牧 2006年夏・準優勝)
参考:日刊スポーツ
投手全員がほぼ一回戦から一人で投げ抜いて決勝まで来ています。
しかも川口知哉選手(平安1997年準優勝)は三回戦目から決勝までは4日連続で行われ、休む暇もない過密な日程でした。
エースのみに頼り切ったチームでは、やはり500球を越えてしまいますよね。
☆とっても興味深い題名の本ですね⇩
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高校野球の球数制限の一週間500球は多い?少ない?
高校野球の球数制限の「一週間500球」という基準は、果たして多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
メジャーリーガーのダルビッシュ有選手は投球制限ルールに以下のようにコメントしています。
「1週間に2試合しかない場合1試合250球投げられるし、3日連続試合ってそもそもあるの?
子供達の体を守ること、一人でも多くの楽しい思い出を作ることを軸に改革を考えてみないか?
」
ってシバターがいいそう。https://t.co/EgZkOBfW3X— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) November 5, 2019
「一週間500球まで」という文言だけでは、抜け道があるような感じがしてしまいますね。
ダルビッシュ選手が言う「1試合250球」は本当にありました。
1998年夏に優勝した横浜高校の松坂投手は、準々決勝でPL学園と対戦し、延長17回となり投球数は250球に達しました。
準決勝や決勝も途中から登板するなど、とても過酷だったと思います。
しかも地方予選から考えると、神奈川大会は学校数が多く、強豪校も多いですよね。
大きな怪我にならなくて、本当に良かったです。
今はタイブレーク制度などの導入もあるため、1日に投げられる投球数の限度もあるようですが、
過去の甲子園での投球数をみても500球というのは過酷な数字のように感じられます。
では何球が良いのかは、この試用期間の中でデータを取りながらブラッシュアップされていくのだと思います。
現場の選手の声や、実際に過酷な高校時代を経験してきた選手たちのリアルな声も取り入れて欲しいなっと感じました。
実際に体験、経験した人の声は一番大切なのではないかと思います。
選手たちの素材や才能を潰すことなく守りながら、そして最大限伸ばし活かすことができる最善策が見つかることを願っています。
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まとめ
以上、高校野球の球数制限とは?いつからなのか、なぜ導入されたのか理由や、球数制限の球数は多いのか少ないのかなどについてや、
過去の甲子園で投手は過去何球投球しているかについてでした。
今まではエースが一人いれば何とかなってきた時代でした。
でもその今までの在り方がおかしかったのかもしれません。
何とかなってきたというのは、その一人の投手が負荷を背負ってくれていたからこそのものだったからですよね。
高校野球のスカウトもまた更に激化してくるでしょうか。
試用期間ということで始まった「球数制限」。
これからまた未来の高校球児のために、試行錯誤しながら新しい形を築いていってくれることを願っています。