高校野球に2020年よりお試しで導入されたルール、「球数制限」です。
2020年から試用期間3年として導入されましたが、2020年はコロナ禍で春、夏共に甲子園大会が中止になったため、実質は2021年大会から適用となりました。
簡単には「ピッチャーが一週間に投げる球数が500球に制限される」のですが、それって多いのか少ないのか、基準がわからなかったので調べてみました。
高校野球に球数制限!一投手「一週間500球以内」
高校野球特別規則に記載されている球数制限ルールは以下となります。
② 1週間とする対象期間は、都道府県大会等とそれに連続する大会日程の期間を含む。
③ 試合が降雨、暗黒などで続行不可能となりノーゲームとなった試合の投球数も 500 球の制限に投球数としてカウントする。
つまりは公式大会の予選から本戦全て、一投手が投げられるのは一週間500球までだよってことですね。
雨などで途中で試合が中断してリセットされても、投げた球数はリセットされないよ!投げたもんは投げたよ!っと!
高校野球に球数制限ルールが導入された理由
高校球児の身体を守ることが理由です。
高校野球は、勝ち上がれば勝ち上がるほど、日程も詰まってきますよね。
当たり前ですが、対戦相手もより強くなっていきます。
全力で戦い、身体の疲れが抜けないまま、次の試合へと向かっていくのです。
強豪校や選手層が厚い学校は、投手を一試合の中で「先発→中継ぎ→抑え」など使い分けることもできると思いますが、エース一人に投げ続けてもらうしか勝つ道がない高校は、一人への負担が大きくなってしまいます。
身体の疲労が蓄積され消耗されて、「怪我」や「故障」に繋がって、野球の道が高校で終わる人もたくさんいるでしょう。
最悪の場合は日常生活に支障が出てしまうほどの故障になってしまう人もいます。
高校球児の身体を守るために、導入されたルールなのです。
高校野球の甲子園大会での過去の投球数
何気なく試合を観ていて、延長何回などはわかりやすいのですが、球数はあまり気にしたことがありませんでした。
甲子園大会における過去の投球数について調べてみました。
過去の夏の甲子園大会における投球数
1990年以降「夏の甲子園」において、投球数が多い投手ベスト3を調べてみました。
一週間の投球数ではなく、甲子園大会が始まってから終わるまでの累計です。
第二位 878球 吉田輝星(金足農業 2018年準優勝)
第三位 820球 川口知哉(平安 1997年準優勝)
他には有名な選手では、「742球 田中将大(駒大苫小牧 2006年準優勝)」、「782球 松坂大輔 (横浜 1998年優勝)」などがあります。
大会期間は二週間。勝ち進むほどに日程が詰まってきます。
斎藤祐樹選手においては約1000球に迫っており、練習なども合わせれば、夏の甲子園期間の二週間に何球投げ続けてきたのでしょうか。
一週間に500球を越えた選手
過去の中に今回導入される「一週間500球まで」を越えた選手は100名近くいました。
主な投手はこちら⇩です。
692球 小川 洋(宇和島東 1988年春・優勝)689球 斎藤佑樹(早稲田実業 2006年夏・優勝)
680球 川口知哉(平安 1997年夏・準優勝)
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643球 松坂大輔 (横浜 1998年夏・優勝)592球 吉田輝星(金足農業 2018年夏・準優勝)
577球 田中将大(駒大苫小牧 2006年夏・準優勝)
参考:日刊スポーツ
投手全員がほぼ一回戦から一人で投げ抜いて決勝まで来ています。
しかも川口知哉(平安 1997年準優勝)は三回戦目から決勝までは4日連続で行われ、休む暇もない過密な日程でした。
エースのみに頼り切ったチームでは、やはり500球を越えてしまうことがあるようです。
一週間500球は多いの?少ない?
メジャーリーガーのダルビッシュ有選手は投球制限ルールに以下のようにコメントしています。
「1週間に2試合しかない場合1試合250球投げられるし、3日連続試合ってそもそもあるの?
子供達の体を守ること、一人でも多くの楽しい思い出を作ることを軸に改革を考えてみないか?
」
ってシバターがいいそう。https://t.co/EgZkOBfW3X— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) November 5, 2019
「一週間500球まで」という文言だけでは、抜け道があるような感じがしてしまいますね。
ダルビッシュ選手が言う「1試合250球」は本当にありました。
1998年夏に優勝した横浜高校の松坂投手は、準々決勝でPL学園と対戦し、延長17回となり投球数は250球に達しました。
準決勝や決勝も途中から登板するなど、とても過酷だったと思います。
大きな怪我にならなくて、本当に良かったです。
今はタイブレーク制度などの導入もあるため、1日に投げられる投球数の限度もあるようですが、過去の甲子園での投球数をみても500球というのは過酷な数字のように感じられます。
では何球が良いのかは、この試用期間の中でデータを取りながらブラッシュアップされていくのだと思います。
まとめ
今まではエースが一人いれば何とかなってきた時代でした。
でもその今までの在り方がおかしかったのかもしれません。
何とかなってきたというのは、その一人の投手が負荷を背負ってくれていたからこそのものだったからです。
高校野球のスカウトもまた更に激化してくるでしょうか。
試用期間ということで始まった「球数制限」。
これからまた未来の高校球児のために、試行錯誤しながら新しい形を築いていってくれるでしょう☆
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